誘惑~初めての男は彼氏の父~
 こうして会うのははじめてとは信じられないほどに、話が弾んだ。


 時間が経つのも忘れて、あれこれ話した。


 気がつくともう、七時近くになっている。


 「雨はなかなか止まないね」


 水無月さんが窓の外の雨空を見上げてつぶやいた。


 「制服、まだ乾かないね」


 そう指摘されて気がついたのだけど、私のブレザーの上着だけがまだ濡れていた。


 「乾かしてあげようか」


 「えっ、クリーニングにでも出すんですか」


 「・・・僕の部屋に来ない?」


 「・・・」


 水無月さんはこのコーヒーチェーン店の隣のホテルに宿泊していた。


 その言葉がどういう意味を持つか、分からなかったわけではなかったのだけど・・・。


 黙って付いていったのはなぜだろう。


 かっこよくて、お金を持っていそうな年上の男性だったから?


 それとも・・・?
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