誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「・・・まずは二次試験を済ませて合格して、採用通知が来てから・・・ね」


 佑典は先日、教員採用試験の一次試験であるマークシート式筆記試験を終えていた。


 上々の出来映えで合格は間違いなさそうであり、二次試験に照準を合わせていた。


 「そうだね。もう受かった気になっていた。来年からの理恵との生活が楽しみで」


 私の髪を撫でながら答えた。


 「勤務先も市内とは限らないんでしょ? まずは卒業して、勤務先が確定するのを待ってから・・・」


 「うん。万が一地方や離島になることもあるし、細かいことはどこに勤務するか決まってからだね。念のため心の準備はしておいて」


 「分かった・・・」


 私が頷いたのを見て安心して、佑典はバスルームへと向かった。


 少ししてシャワーの水音が響き始めた。


 私は一人、裸のままベッドのシーツに包まり続ける。


 優しくてかっこよくて、将来のこともしっかり考えていて誠実で、申し分のない彼氏。


 なのに彼氏との性的な交渉に、満足できていない欲張りな私・・・。


 未だに関係を続けている初体験の相手が、ずっと年上で経験豊富で・・・私の体を淫らに調教してしまったから。


 禁断の果実を手にしてしまった今は、もう昔の自分には戻れない・・・。
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