誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「え・・・」


 メインストリートから曲がった、細い道路と寮を隔てる塀。


 その塀に私の体を押し付けて、唇を奪う。


 貪るように重ねられる唇に気を奪われていると、その隙に手が衣服の中へと滑り込む。


 「佑典、どうしたの・・・」


 いつもの佑典からは考えられないほどの強引なアプローチに、私は恐怖すら覚える。


 「やめて、こんな所で」


 ようやくその手から逃れた。


 ・・・この場で体を求められた。


 飲み会帰りの同じ寮の学生とかも通りかかる可能性があるので、こんな所で行為に及びたくない。


 そして何よりも・・・さっき和仁さんに抱かれたばかり。


 今はまだ痕跡が残っている。


 全身に和仁さんの残した香り、そして濡れた体。


 今体を許したら、痕跡に気づかれる危険性がある。


 「どうしてこんな強引に。いつもの佑典らしくない」


 動悸を抑え、必死で応えた。


 「今すぐ、理恵としたいの」


 「え・・・」


 再び抱き寄せられる。


 ほんとこんなに強引な佑典は、見たことがない。


 「・・・酔ってるの?」


 「寄ってたら冷静に、チェックなんてできるわけないでしょ」


 「チェック?」


 「浮気チェックは、理恵の体に聞いてみるのが一番手っ取り早いから」
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