誘惑~初めての男は彼氏の父~
 浮気?


 「な、何なのいきなり」


 冷静を装って答えた。


 だけど内心は・・・心臓が爆発しそうだった。


 浮気って、和仁さんとのこと?


 今まで会っていたことを勘付かれたの?


 見られた・・・?


 それともまさか・・・今までつけられていたとか?


 状況が掴めない以上、余計な事を口走って墓穴を掘ってはまずいので、佑典の出方を待った。


 「理恵ってさ、うちの父親のことどう思う・・・?」


 腕を絡めながら尋ねてきた。


 やはり和仁さんのことか。


 「どうって・・・。写真家として活躍なさっている、立派な方だと思うけど、」


 「そういう一般論じゃなくて」


 佑典は言葉を遮った。


 「社会的地位云々の問題は置いておいて。一人の男として」


 「え、男性として?」


 「・・・」


 「意味、分からない」


 佑典の意図が正確に掴めないので、即答を避けた。


 「うちの父親に迫られたら、抱かれてもいいって思う・・・?」


 「何言ってるの!」


 反応に困った私は、思わず佑典から身を振り解いてしまった。


 「・・・ごめん」


 しつこい追求に私が怒ったのだと判断した佑典は一転、謝ってきた。


 そして今日の飲み会の話を語り出した。


 高校時代の同級生数人で集まり、まずは就職活動やら卒業後の進路についての話題。


 それから・・・それぞれの彼女や好きな人の話題。


 私のことをのろけていた佑典は、他の参加者から冷水を浴びせられるような指摘をされたようだ。
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