誘惑~初めての男は彼氏の父~
息子からの不在着信に気づいて、何だろうとかけ直したところ。
電話に出た息子から、「今彼女が隣で寝ている」と一方的に告げられる。
彼女とは・・・自らも関係を持っている相手。
・・・和仁さんの性格上、内心きっと嫉妬していると思う。
だけどそれを表に出すわけにはいかない。
心を押し殺して、冷静に「父親」としての対応に徹していたらしい。
そんな父親の対応に直面し、佑典はそれ以上何も問い詰めることはできなくなってしまった様子。
完全に無実だと証明できたわけではないけれど、隙のない対応にもはや疑いをぶつける意志はそがれてしまったようだ。
「理恵・・・」
いつの間にか膨張していた疑念を、自らの手で収束させなければならなくなり。
佑典は思いのぶつけ場所がなくなってしまい、ベッドの上で私をそっと抱きしめた。
素肌から伝わるぬくもり。
・・・罪悪感からか、今ここで全ての罪を告白したほうがいいんじゃないかって気持ちに襲われた。
でもできなかった。
真実は・・・あまりに重すぎるような気がして。
「ごめんなさい・・・」
何に対して謝っているのか、私のこの言葉だけでは不明瞭だと思うけど。
佑典は何も訊き返さず、私をそのまま抱きしめていた。
電話に出た息子から、「今彼女が隣で寝ている」と一方的に告げられる。
彼女とは・・・自らも関係を持っている相手。
・・・和仁さんの性格上、内心きっと嫉妬していると思う。
だけどそれを表に出すわけにはいかない。
心を押し殺して、冷静に「父親」としての対応に徹していたらしい。
そんな父親の対応に直面し、佑典はそれ以上何も問い詰めることはできなくなってしまった様子。
完全に無実だと証明できたわけではないけれど、隙のない対応にもはや疑いをぶつける意志はそがれてしまったようだ。
「理恵・・・」
いつの間にか膨張していた疑念を、自らの手で収束させなければならなくなり。
佑典は思いのぶつけ場所がなくなってしまい、ベッドの上で私をそっと抱きしめた。
素肌から伝わるぬくもり。
・・・罪悪感からか、今ここで全ての罪を告白したほうがいいんじゃないかって気持ちに襲われた。
でもできなかった。
真実は・・・あまりに重すぎるような気がして。
「ごめんなさい・・・」
何に対して謝っているのか、私のこの言葉だけでは不明瞭だと思うけど。
佑典は何も訊き返さず、私をそのまま抱きしめていた。