誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「私を、和仁さんから」


 遠ざける。


 その一言がまた私を不安にさせた。


 佑典は気づいていて、これ以上私が深みにはまらないよう、引き裂くために外国に連れて行こうとしたのか。


 それとも未然に防ぐためか・・・?


 「佑典、どうしてそんなこと」


 「理恵を父さんに盗られるような気がして、怖いんだ」


 そう言い放った後、佑典は再度私を引き寄せ、そのまま抱きしめた。


 父さんには渡さない。


 そう宣言した裏には・・・。


 今後の危険を感じているのか、それともすでに今までのあやまちを知ってしまっているのか、結局判明させられないままだった。


 余計なことを口にして、墓穴を掘りたくないという思いが働いて。


 それ以上は追求できなかった・・・。


 「佑典、」


 強引に塞がれた唇が、更なる追及を妨げた。


 もう何度目か忘れた。


 最近は会うたびにキスを交わす。


 出会った頃の初々しさは徐々に薄れ、今ではどれだけキスだけで感じることができるか、そんなことを考えている。


 そして・・・比べている。


 和仁さんとの違いを。
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