キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
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今日は仕事でいいことがあったのもあって、気分のいいまま仕事帰りに買い物をして、公園の横を通って帰っていた。
最近は先生に会わないようにするために影を潜めながら買い物に行くことが億劫になってしまっていて、平日に行くことが増えていた。
帰るのが少し遅くはなるけど、土曜日に部屋でゆっくり時間を気にせずにずっとコタロウと過ごせるのもいいかも、と思うから。
久しぶりにいいことがあったからか、何だか鼻歌を歌っちゃいたい気分。
コタロウも待っているし早く帰ろう、と足取り軽く早足で歩いていると、通りの向こうを歩いている男女の姿が目に入ってきた。
「っ!」
私は思わず、慌てて横にあった路地に入り込んだ。
そしてその二人から逃げるようにして、公園の向こう側に通じる路地をさっきよりも早足で歩いていく。
その脳裏には、たった今見てしまった男女の姿……西岡さんが虎谷先生に腕を絡めて、仲良さそうに会話をしながら歩いている姿がはっきりと浮かんでいた。
どくん、どくんと早く鼓動する心臓。
それは早足で歩いたからではなく、二人の姿を見たのが理由だということは明らかだった。
……わかっていたつもりだったけど、実際に仲良く並んで歩く二人の姿を見るのがこんなに苦しいなんて。
あんなに仲がいいんだから私の入り込む隙間なんて、最初からこれっぽっちもなかったんじゃない。
コタロウをかわいがってくれて、私に素顔を見せてくれているということだけで、私が勝手に虎谷先生との距離が近いと勘違いしていただけで……。
虎谷先生は全くそんなつもりなんてなかったのに。