キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
私の中に黒い気持ちが生まれた瞬間、ふと視界が暗くなった。
気付いた時には樹さんのドアップが目の前にあって、唇に柔らかくてあたたかいものが触れていた。
ちゅっと食まれて、離れる。
「……みーこ。好きだよ」
「~~!」
やっぱり離れたくない。
樹さんのことが好きなの。
泣きそうなくらい好き。好き。
無意識のうちに私は樹さんに抱きついていた。
「!みーこ!?」
「私も……っ、樹さんが好きですっ」
「……うわ、なにこれ。嬉しすぎてヤバいんだけど」
その言葉をあらわすように樹さんの腕が私をぎゅうっと抱きしめてきてくれる。
私も負けじとぎゅうっと腕に力を入れると。
「みーこ。すっげぇ嬉しいけど、ちょっとそれ苦しい。くくっ」
くすくすと笑う樹さんの振動が伝わってくる。
そして、心臓の鼓動も、熱も。
私はとにかく樹さんのことを感じたくて、何も言わずに身を寄せていた。
……さすがにずっと腕に力を入れているのは無理で、抱きついてから少し経った頃、ゆっくりとその力を緩めると、樹さんの手が私の首元に移動してきた。
私と樹さんの身体がほんの少し離れたかと思えば、樹さんが私の耳元に唇を近づけて、甘い声で囁いてくる。
「俺、自惚れてもいい?」
「ん……っ」
いつかされたように耳を食まれ、私はぴくっと反応してしまう。
「みーこも、俺に触れたいって思ってくれてるって」
樹さんの唇が首もとに移動し、触れる。
……そんなの、当たり前だよ。
もう、キスだけじゃ足りない。
もっと、樹さんに触れたい。
……そう伝えようと息を吸った時。