キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~

~罰

 
***


……私は罪な女らしい。


「それ、絶対誘ってたんだって!」

「!そ、そうなのかな?」

「あーあ。センセイもかわいそうねぇ~。勇気出して誘ったのに、コタロウを理由にまんまと断られちゃうなんて!美夜子も罪な女よねぇ~あははっ」

「……璃世。完全に面白がってるでしょ?それに、別に断ったわけじゃ」

「男にとっては断られたのと同じでしょ。っていうか、センセイってヘタレなのね!そこはコタロウのことなんか気にせずに、ドーン!と押し倒してやっちゃうのが男ってものなのに!」

「いっ、樹さんは私とコタロウのことを考えてくれてるだけだもん!ヘタレなんかじゃない!」

「どうだか?その状況で我慢できちゃうような器の大きい男なんてそうそういないから、信じられないけど」

「……それ、璃世の経験上だけの話じゃないの?」

「あら、そうかしら?」


今日は土曜日で昼過ぎに仕事を終わらせ、一旦家に帰ってコタロウの様子を見た後、私は璃世と会っていた。

『たまには私に付き合ってよ!』と数日前に璃世に言われたのが発端で、ちょうど樹さんも仕事が長引くかもしれないから会えそうにないと言っていたのを思い出し、私は璃世にOKしたのだ。

ちなみに今日はコタロウにはお留守番してもらっている。

きっと今頃、お昼寝しているか、おもちゃで気ままに遊んでいることだろう。

璃世は臨月に入った頃で、すっかりお腹が大きくなっていて、本当にもうすぐ生まれてくるんだなぁと実感が湧いた。

妊婦とは思えないほど璃世は買い物中はしゃいでいて、大丈夫なのかなとちょっと不安が走ってしまったけど、「今のうち好きなことやっとかなきゃね!」と言う璃世に私はいつものように付き合った。

そして、今は休憩がてらお茶中だ。

 
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