キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「だからその子はそのままうちで飼おうか、って旦那とも話してて。母猫もいるし、私たちはネコに慣れてるし、安心だから。時間が経てばきっと旦那にも慣れてくれるだろうし」
「そう、なんだ……」
璃世の言葉に、この子が私の元に来ることはないんだなと知ると、何だかすごく寂しい気持ちになってしまった。
まだその子を引き取るなんて話を全くしていないにも関わらず、だ。
……何が怖いの?何も怖くないんだよ。
そう伝えたくて子猫を撫でてあげたいと私は手を伸ばし始める。
ゆっくり、ゆっくり、怯えさせないように。
私と子猫との距離が15センチになったところで、子猫が私の方をちらっと向いて耳を倒して口を開き小さくシャーッと鳴いた。
それは決して撫でて欲しいとおねだりするものではなく、警戒心の固まりのような鳴き声と姿だった。
さっきまであんなにくりくりと丸い目をしていたのに、今は細めている。
その明らかに私を拒否している声に、私はびくっと身体を震わせてしまって、子猫に向かっていた手の動きを止めてゆっくりと手を引いた。
目の前に迫ってくる人間の手がなくなったからか、ほっとしたように子猫は強張らせていた身体から力を抜いた。
そして、再び母猫の身体に寄り添うようにして安堵した表情を浮かべる。
私は手を自分の身体に引き寄せてからも、ずっとその様子を見ていた。
それと同時に、この子に心を許してもらいたい、この子を抱きしめたい、と強く思っていた。
どうしたら心を許してくれるのだろうか?
その答えは今はわからないけど……この時、私の心は一つに決まっていたんだ。