キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「マサコに対してでさえアレでしょ?子どもが生まれたらどうなるのか心配でたまんないのよねー。男の子ならまだ大丈夫だろうけど、女の子だったら絶対に“パパうざい!”なんて言われて、落ち込む姿が目に浮かぶから」
「ふふっ。確かに、浮かぶね。でも局長、絶対にいいパパになるよ。悪阻が終わった今も家事とか手伝ってくれてるんでしょ?」
「まぁ、ね。そういうところは褒めてあげてもいいんだけどさ」
むぅと唇を尖らせて何だかんだ言いつつも幸せそうな表情を浮かべる璃世に、憧れの気持ちをいつも抱いてしまう。
やっぱり好きな人と一緒にいれるっていいな。
「美夜子ー」
「え、何?」
「さっきの続きだけど。ちゃんと試合、続行してよ。相手がどんな人なのかはわからないけど、美夜子にはちゃんと好きな人と幸せになってほしいから」
「……」
「話を聞く限りでは何となくだけど、その人とならコタロウも幸せになれる気がするし。最高じゃない?そうなれれば」
確かにそうなんだ。
もし、先生と一緒にいることができるなら……コタロウも一緒に必ず幸せになれると思う。
でも、私の一方的な想いだけじゃどうにもならないんだ。
物事がそんなに簡単じゃないことは30年近く生きていれば、嫌でもわかっていることだから。
それでも、璃世の言葉と「頑張って」と言いながら私の手に触れてきたその手に、背中を押された気がしたのは事実。
まだ虎谷先生のことはほとんど何も知らないけど、ひとつずつ知ることから始めていけばいいんだよね。
璃世の言う通り、何もしていないのに試合終了するのは早過ぎる。
璃世の言葉に、私は「頑張る」とゆっくり頷いた。