囚われる心と体


2時間ほど飲んだ私達の宴は終わりを告げた。飲みの席で腹黒王子に絡まれることはなく安心していたら、予想以上に飲みすぎて酔いが回ってしまった。




「高梨、送ってって」




「はいはい。了解しました」




高梨の家は私と同じ方向で何度か送ってもらった事がある。お互い同期以上の気持ちもないのでおかしな関係にならないのが安心材料だ。




タクシーを止めようと手を上げた私の目の前にブリザードを背負った腹黒王子が降臨。




「石原さん。僕も同じ方向なんでご一緒してもいいかな」




「他を当たってください」




「露骨な断り方だね」




「沢井さんと帰りたい方は沢山いらっしゃるのでそちらをどうぞ」




「僕は石原さんを送りたいんだけど」




ったくこの男は空気も読めないのか。それでよく客の動向を掴むマーケティング部なんかにいられるもんだ。




あーそうか。自分に自信のある男は断られるって事を知らないのか。ある意味なんでも自分の思い通りになると思ってしまってる男は痛いかも。


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