囚われる心と体



大衆居酒屋の座敷で繰り広げられる宴会。始まったばかりだがすでに帰りたい気分だ。しかし私の食事分は高梨の奢りだからしっかり飲み食いしなきゃ勿体ないな。




腹黒王子はというと、こんな大人数になっているのを知らず最初は呆気にとられていたが、あっという間に女性陣に囲まれ席に着くといつもの愛想笑いで対応していた。




「だけど高梨。よくあの男の仮面を見抜けたわね」




「あーそれね。大学の先輩にもあんな感じの人いたんだよ」




「でもあんたに気づいてもらっただけでもラッキーだわ。紗耶香以外、だーれも気づかないんだもん」




「ま、あーゆー人は簡単に尻尾は出さないもんさ」




「ふふ。あれは由愛に絡んでる高梨に牽制入れたんでしょ」




「あ、そーゆーことか」




全くなんの牽制だか知らないけど私はあの男のせいで部署の女性陣に白い目で見られてる。それだけでも迷惑を被っているのだからこれ以上接点なんて持ちたくない。

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