彼のヒーローヴォイス

月日が流れ、今日は大学の卒業式。

式は、午後からなので、マリアと私と、マリアの行きつけの美容院で着付けとヘアをやってもらっている。


「やっぱり、この袴にしてもらってよかったよねー」


先に着付けを終えヘアをセットしてもらっているマリアが鏡越しに私に言った。


「うん、店長さんのセンスがいいからお任せしてよかったね」


「何、言ってんの! 二人ともスタイルいいし、カワイイからに決まってるじゃなーい」


自称おねえと自慢げにいつも言う店長さんが、私たちをほめまくった…


すると…


コンコン


ドアのノック音が聞こえた。


「はぁい、どーぞぉ」


ドアが開き、スーツ姿の二人の男性が入ってきた。


え…。なんで…? ハルトくんだけ来るはずじゃ、なかったの?!


ハルトくんの後ろには、スーツを着て一段と男らしくなった純一がいた。


「あはっ 怜、ビックリさせてゴメンねっ! ハルトだけじゃ頼りない、って思ったから
ハルトに頼んで純一くんを連れてきてもらっちゃったっ えへ…」


えへ…って…

マリアってば…


なんだか、心臓が速くなってきた…


「さて、できたわよー さぁ、2人とも 目立ってらっしゃーい
あ、ちょっとまって、写真写真!!」


サロンの入り口に移動して、私たち4人は、店長さんのカメラに納まった。


大学まで、純一が運転する車で向かった。

純一の助手席には、マリアが…

コロコロと表情が変わり、楽しそうに純一と話すマリア。


表情から、マリアが純一に好意をもっていることがよくわかった。


私は、慣れない袴と、緊張と、ドキドキ感と不安感と入り混じっていて、ハルトくんの話すことに
頷くことしかできなかった。


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