強がりあいっこ。
彼女は仕事着なのか、
ぴっちりシャツとパンツを着こなして
栗色のセミロングの髪は綺麗にまとめていた。
以前会った、
ゆるく巻かれ降ろされた髪、
ふんわりとしたワンピースが与えるイメージとはまったく違う、
ピシッとした姿だった。
もはやバンドには目もくれず
俺は彼女を見つめていた。
途中で、彼女も俺に気づいたようで
最初は驚いていたが
そのあと、
俺にふんわり微笑んで見せた。
そして、バンド公演が終わり、
1人舞台の解体作業が終わるのを待つ。
イベントが全て終わったようなところを見計らって
俺は、
彼女に話しかけていた。