神恩のヘルへヴン
フレンはレクティスシティの南端の地域に住むメリー家の一人娘だ。現在17歳、高校一年生で学校に通っている。


「最近やたらと寒いなぁ…」


と呟きながらストーブにスイッチを入れる父をぼんやりと眺めながら朝御飯を済ませると、少し急ぎめに高校へ行く準備をする。

遅刻をするような時間ではないが、外で友達が待っている筈だ。自分の部屋へ戻り、鞄をひっつかむと、バタバタと階段を降りる。いつもの朝の情景だ。


「行ってきま~す!」

「気を付けてけよ~!」

とお決まりの挨拶を交わし、家を飛び出した。冬も本番に入り、身を切るような寒さに加え強い風が吹いている。
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