サヨナラからはじめよう
相変わらずいい体だった。
あいつは着やせするタイプで脱いだら結構すごいっていう。

「・・・って!違うから!そんなことはどーでもいいの!」

コンコン

その時部屋のドアがノックされ、控えめな声が響いてきた。

「あの、涼子さん、すみません。僕が入ってたせいで・・・驚かせてしまってすみませんでした。お風呂空きましたから・・・」

なによ、なんなのよ。
そんなに罪悪感でいっぱいですみたいな声は。
こっちが悪者になった気分になるからやめてよ。
っていうかすっかり忘れて思いっきり見たこっちが悪いんだけどさ。

はぁっと一息吐き出すと再び部屋のドアを開けた。

「あ・・・」

「もういいわよ。ノックせずに開けたこっちも悪いんだし。じゃああたししばらく使うから」

「あ、はい。・・・・あの!」

既に歩き出していたが引き止める声に振り返ると、
どこか落ち着かない様子で何か言いたげにしていた。

「・・・何?」

「あ、いや、やっぱりいいです」

「・・・?そう。じゃ」

そう言って再び歩き出した後ろ姿を司は切なげに見つめていた。
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