好きになったわけ
そんな彼女が僕に何の用だろうと思い、こちらから話しかけようと思った矢先、彼女の方から不意に話しかけられた。

「一瀬くん、放課後話があるから。教室に残って」

「え……(・д・。)」

隣で篠原さんが頬をプクーとさせていたのが気になったが今はそれどころではなかった。
しかし要件はそれだけなのか、彼女は言うだけ言うと、さっさと自分の席に戻ってしまった。

「なんなんだろう、一体……」

「もう、せっかく今日は一瀬くんに学校案内してもらおうと思ったのに……!!」

篠原さんはというと、なぜだか川崎を敵視するかのように見ていた。まあ、そんな彼女も可愛いのだが。




その後はと言うと、特に何事も起こらず、あったことはといえば、昼休みに篠原さんに購買の利用方法を教えたり、昼飯時にテツと校内美少女ランキングを作ってみたりと至って普通に過ごしただけだった。
放課後にもなると、掃除とHRを終えた生徒たちは帰宅の路をたどるもの、部活に精を出すものと各々の活動場所へと散っていく。そう言えばうちのクラスで帰宅部なのって僕と川崎とそれから転校生の篠原さんだけだな。
なんて考えているうちに僕は下駄箱へと向かっていた。テツは部活だし、篠原さんもなんだかモヤモヤした雰囲気をまといながらすぐ帰ってしまったし、特に特定の誰かと帰る予定もないので僕もさっさと帰ろうと靴にてをかけたところで、

「あー!!約束忘れてた!!」

川崎との約束を思い出した。
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