恋愛奮闘記


「頭の中で整理しながら、口に出してみろ。わかりづらくても最後まで聞いてる」

なんでシュウさんは、こんなに何もかも分かってしまうのだろう。いつも厳しいことを言ってくる割りには散々甘やかしてくれるのだ。

シュウさんに話せないで、他の誰に話せるだろう。

私は少しずつ話し始めた。



お店がしばらく営業許可が下りなかったこと。

はるかさんのこと。

私のせいで開店が遅れたこと。

早坂さんとはもう終わらせる覚悟をしたこと。



震える声で一つひとつ話す私を、シュウさんは優しく見ていてくれた。



「ーーーだから、もういいの。あの人のことは忘れる」

全てを話し終わるまで、シュウさんは口を挟むことなく聞いてくれていた。



「…なんでお前はそんな大変なことを一人で抱え込んでんだ?」

「え…」

「逆に、全部店の奴らに話せばもっと早く解決したんじゃねーの?あいつらだってそんな理不尽なことされて黙ってるような連中じゃねーだろ。はるか?って奴の親に直々に抗議でもなんでも出来ただろ」

「でも、これ以上みんなに迷惑かけるわけには…」

「じゃあお前だったらどーなんだよ!例えばカオリさんが店のことで悩んでて、それを自分に相談してくれなかったらどう思う!」

はっとした。
そういう方向からは考えていなかった。

「…すごく、さみしい…」

「そういうことだろうが」


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