恋愛奮闘記


「わかった。営業時間過ぎてもいいから訂正させて下さいって伝えてくれる?」

「わかりました」



…今日は遅くなりそうだ。



そして山下さんは8時半頃に来られた。

「山下さん、わざわざもう一度来て頂いてすみません。どこかやりづらい所がありましたでしょうか」

「ごめんねー矢野さん。違うのよ、私はこの髪型ですごく満足なんだけどね…。帰ったら主人がもう少し短い方が良いんじゃないかって言うのよ。そう言われるとなんか気になってきちゃって…矢野さんどう思う?」

ああ、やってしまった…。
ご主人の好みも把握出来てたら良かったのか…。

「そうですね。もちろん私も今のままでお似合いだとは思います。でも一番身近な存在のご主人がそう言われるのであれば、もう少し切った方が納得されるかもしれません。山下さんは短いのもお似合いなので…カットさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

「そうなのよね、主人とは毎日顔合わせるからこれ以上何か言われても困るしねえ…お願いできる?」

「もちろんです!御足労頂いて申し訳ないです」



< 165 / 200 >

この作品をシェア

pagetop