殺し合いの証拠








「お、覚えてるよ……」







「あの時のいくらちゃん、ちゃんと参加してた。

パスが回ってこなくても、ハブられても。

あの時小畑が助けてなくっても、
ずっと頑張るつもりだったんだろ?」








「う、うん…」









単純に、胸が痛んだ。







確かにそうだ。

あの時、翔子が助けてくれなかったら、
私はどうしていたんだろう……








「コートは5人だから、

"ここにいるよ、ピンチになったらパスして!"

って頑張るいくらちゃんずっと見てた。

こっちまで苦しくなったよ…

必死だったから……
きっと、粘り強いんだろうなって。」









あの時の私は、ただ――。






でも、粘り強いのは嘘じゃない。





事実だ。








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