【完結】ホイクメン!
たった一言「嫌」と言えばいいだけなのに。


声が出ないから、その一言すら発する事ができなかった。




「どうした・・・?

具合悪いのか?」




心配する素振りを見せる助手席の男。


だけど車の中からは、クスクスという笑い声が漏れている。




「家まで送ってっちゃるよ!

ほら、車乗んな?」




その言葉と同時に、後部座席のドアが開く。


乗っていたのは、アメフトか柔道でもやっていそうなガタイのいい男が2人。


彼らのうち1人は車から降り、黙って立ち止まる私の腕を引っ張った。




―――やだ・・・、助けて・・・!!




更なる恐怖に呼吸すら停まりそうな程。


強い力で引っ張られ、私の体は彼らの車の中に押し込められそうになっていた。
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