天然ダイヤとイミテーション・ビューティー ~宝石王子とあたしの秘密~
イミテーションの過去
あれからまた、何回か晃さんの勉強会に参加した。
なんとなくだけれど、あの日以来晃さんとの距離が近くなった気がする。
お互いちょっと砕けた口調で話したり、講習の最中に笑い話が混じったりして。
もちろんそれは私に対してだけじゃなく、詩織ちゃんにも同様なんだけど、それでも嬉しく感じていた。
さて、本日の営業時間は終了。でも今日は皆で残業してダイレクトメール書きだ。
『お客様には常に真心を込めて』が五百蔵宝飾店のモットーなので、宛名はぜんぶ手書きしなきゃならない。
しかも……毛筆で!
「はい、これで書いてね」って主任から筆ペンを渡されたときは、目を丸くしてしまった。
本格的な毛筆よりも文字を書きやすいらしいけど、使い慣れていないことには変わりない。
「やだもう、信じられない! 今どき手書き!? しかも筆!?」
って詩織ちゃんがギャーギャー喚いて栄子主任に叱られてる。
私も自分が書いた宛名を見て、その出来栄えの情けなさに溜め息をついた。
「ねぇ、聡美ちゃん。筆、使えるー?」
「ぜんぜん。こんな汚い字でお客様に送ったら、逆に営業妨害になりそう」
「二人とも、社会人なら筆も使えないと駄目よ」
私たちの会話に栄子主任が参入してきて、すかさず詩織ちゃんが唇を尖らせて反論する。
なんとなくだけれど、あの日以来晃さんとの距離が近くなった気がする。
お互いちょっと砕けた口調で話したり、講習の最中に笑い話が混じったりして。
もちろんそれは私に対してだけじゃなく、詩織ちゃんにも同様なんだけど、それでも嬉しく感じていた。
さて、本日の営業時間は終了。でも今日は皆で残業してダイレクトメール書きだ。
『お客様には常に真心を込めて』が五百蔵宝飾店のモットーなので、宛名はぜんぶ手書きしなきゃならない。
しかも……毛筆で!
「はい、これで書いてね」って主任から筆ペンを渡されたときは、目を丸くしてしまった。
本格的な毛筆よりも文字を書きやすいらしいけど、使い慣れていないことには変わりない。
「やだもう、信じられない! 今どき手書き!? しかも筆!?」
って詩織ちゃんがギャーギャー喚いて栄子主任に叱られてる。
私も自分が書いた宛名を見て、その出来栄えの情けなさに溜め息をついた。
「ねぇ、聡美ちゃん。筆、使えるー?」
「ぜんぜん。こんな汚い字でお客様に送ったら、逆に営業妨害になりそう」
「二人とも、社会人なら筆も使えないと駄目よ」
私たちの会話に栄子主任が参入してきて、すかさず詩織ちゃんが唇を尖らせて反論する。