地球を守って!恋するヒーロー
「俺もブレットと同じ日に美菜と会って、同じように助けたんだ。
美菜のヒーローは俺じゃだめか?」


「だめっていうか......、千明はみんなのヒーローでみんなの彼氏だし......。
私一人の彼氏になれないんじゃないの?」 


「だよな!
当分は俺、みんなの彼氏だな」



千明は大きな口を開けて笑って、それを冗談にするけれど、でも。

やっぱり冗談じゃない、よね......。


いつも冗談なのか本気なのか分からない千明だけど、さすがに今のはなんとなく私も千明の気持ちに気づいてしまった。



「ねえ、千明......」


「本当に冗談だから、気にするなよ!」



明るく笑って私の肩を叩く千明。



「千明が冗談にしたいなら、そうする」


「うん、まぁ......、そういうことにしといて」



千明は私から視線をそらして、一瞬宙を見てから、すぐに歯を見せて笑った。


ごめんね、千明。
きっと気まずくならないように、冗談にしてくれたんだね。


千明のこと嫌いじゃない。
嫌いどころかむしろ大好きだけど、でも私は......。



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