【完結】Re-love 〜二度目の恋はあなたと〜
「でも許してあげたんや?」
「えっ?許した・・・んかな?」
―――いや・・・キスされたことは許してない。うん。許したとは言ってない。
「許したんじゃなかったら、どうしたん?」
「私さ、咄嗟に『そんなんじゃ私の気持ちは変えれない』って言ってしまって・・・」
―――考える余裕なんてなく、言ってしまったんだ。後悔しても遅かった。
「『気持ちを変える』?杏子・・・あんた」
杏子の顔を覗き込むように聞いてきた美穂は、心配そうな表情をしていた。
これ以上、心配させてはいけないと思い、杏子は全てを話すことにした。
「あいつは『忘れられへん奴がいるんやろ?』って・・・」
駅のホームで、美穂に聞かれる前に自ら話し始めていた。
「ちょっと前に、桜木先輩って先輩が学校に来てたの知らん?」
「あっ、知ってる。めちゃくちゃ美人で有名な先輩やんな?みんな大騒ぎしてたもん」
「華代ちゃん、いや桜木先輩は私のいとこなんよ・・・」
「そうなん?」
「そう。それで私さ、華代ちゃんに相談してたんよ・・・好きでもない子とキスできるんかって・・・」
美穂は、杏子の話を黙って聞いていたので続けて話した。
「そしたら、あの日学校で眞中くんを呼び出して、いろいろ聞いたみたい。その時に、私には忘れられない人がいる、って話をしたらしいんよ」
「それって事実なん?忘れられへん人がいるってのは・・・」
「・・・・・・うん」
杏子は、静かに頷いた。
駅には二人が乗る電車が到着した。
電車には、高校生がちらほらと乗っていた。
二人は、誰もいない席に座り、続きを話し出した。
「ごめん。杏子に好きな人がいるかどうかを聞きもせんと勝手に眞中くんとくっつけようとして・・・」
「いいよ・・・小学校の時の話やし、それに今はどこにいてるかわからんし・・・」
「わからん?」
「中学に入る直前に引っ越したから・・・」
「・・・そっかぁ」
小学生の時の話だと馬鹿にすることなく、美穂は杏子が話すのを待ってくれていた。
「でも・・・彼は私のことなんか好きじゃなかったんよ」
杏子は、思い出すのも辛い過去を思い出そうとしていた。