図書館からはじまる



20分ぐらい歩いただろうか?


あまり会話はなかったが、手を、握っていたせいか安心感があった。


「もう少し一緒にいたい」


俺は、思わず口に出してしまった。


「え?」


のっぽさんは、どう思っているのだろうか?


近くに公園があるのが見えた。


「そこの公園で座らない?」


公園のベンチに座った。


座っても手は離さなかった。


離したくなかった。


手を握っても嫌がらない、俺のことどう思ってるのかな?


聞いてみよう。



「なぁ、のっぽさんは俺のことどう思う?」


「ど、どう思うって言われても…」


「好き?……嫌い?」


気になる…


「か、彼女いますよね?」


そんなこと気になってたのか…


「前はね…」


「え、だって有紗さんは?」


「別れたよ。一ヶ月前ぐらいに」


「本当の本当に?」


「ああ」


おっ、おっ、脈ありか?


「でも、あの時女の人と腕組んで歩いてましたよね?」


そっちもか…


保の親父さんの誕生日会があったこと、保の妹のあゆみの説明もした。



「誤解とけた?嬉しいな、気にしてくれてたんだ」


「…」


あまりにも嬉しくて、のっぽさんが愛おしくて、愛おしくて気がつくとキスをしていた。





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