秘密が始まっちゃいました。
荒神さんに連れられ、私はそのフレンチレストランにやってきた。
すんごい豪華なお店だ。シャンデリアもインテリアも、並ぶカトラリーまで、普通のお店で目にできない類のものばかり。ウェイターの対応も超一流。
格が違うのが肌でわかる。す、すごい……。

今まで付き合ってきた男の子とは一度もこんなデートしたことない。
若かったし、こういったお店の作法もよくわからなかった。
何より、お財布的に厳しいもん。


「なんか……人気があるお店なんですよね」


私はワインリストを荒神さんに手渡しながら言った。ちなみに、リストを見てもワインはよくわからなかった。


「みたいだな」


荒神さんもワインリストを見て、やはりわからなかったようでウェイターを呼ぶ。適当に料理に合うものを持ってきてもらう様子だ。


「予約大変だったんじゃないですか?」


「あー、実は俺の大学の友達が、ここのホテルの関係者なんだよ」


「ぶぁ!マジですか?」


こーんなイイところにお勤めのお友達が?すごいじゃないですか、荒神さん。
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