秘密が始まっちゃいました。
私は、なんだか素直に従いたくなくて、口を尖らせた。


「えー?私はこっちの方がいいです。奢られるなら」


「マジか。金のかかる女!」


荒神さんが声を出して笑い、私はすまして答える。


「私を誘うのは安くないですよ」


「そっか、じゃあ早速なんだけど、この後空いてる?」


この後?
空いてるに決まってる。デートのはしごをするほど、節操なくないもん。そんなアテないし。

でも……結構遅くなりますけど……どこへ??
ここはホテルだし……イヤイヤイヤ!それはない!
ないってば!


「終電までには絶対帰れるからさ」


「……はい、お付き合いします」


私は頷く。期待なのか狼狽なのか、胸が早鐘を打ち始めていた。




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