秘密が始まっちゃいました。
「どうせ、フケてますよ!悪かったですねぇ!30代風で!」


私は腹立ち紛れに2杯目のハイボールをぐぐっと飲んだ。この前に生ビールも飲んでいるので、お酒でお腹がいっぱいになってきている。


「おいおい、スネるなよ。落ち着いてるって意味だよ。あ、これホメ言葉になんない?」


「なんないです!」


「怒るなってば~。日冴ちゃん怖い!」


荒神さんが私の気を引き立てようと、お品書きに目を落とし、私の好きなおつまみを物色し始める。結局、奢りだと私の好きな真鯛のお刺身を頼んでくれた。
私、もうお腹いっぱいなんだけどなぁ。


「ま、ちょっとさ。しばらくは羽田がうるさいと思うけど、気にしないでな。あいつはあいつなりに一生懸命なだけだから」


彼の言いたかったことはコレらしい。
私が今までのように荒神さんに注意しに行く限り、彼女とかち合うことになるわけだもんね。
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