秘密が始まっちゃいました。
「……薫さん」


「『さん』も取って」


「薫……」


「OK。さて、どこに行こっか?俺としては日冴といられるなら、どこでもいいんだけど」


そう言って、荒神さんは私の頬に触れた。キスできちゃいそうな距離感。

私は慌てて、その手を払い落とした。


「待ってください!倦怠期って設定でしょ?なんでこんな甘い感じなんですか!?」


荒神さんはまったく動じることなく、さらっと答える。


「バーカ、倦怠期の冷めてるって感覚は大抵、女の方ばっかりが感じてるんだよ。男は変わらぬ深い愛を惜しみ無く与えたいと思ってんの」


荒神さんは私が払い落とした右手で、今度は私の髪に触れる。
結んでいない髪を毛先まで指に絡ませて遊んでいる。


「な、日冴。買い物とか行く?」
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