秘密が始まっちゃいました。
「できる」ってどこまでごっこの延長でするつもりだったのよ。

ん?
この言い回しだと、荒神さんは私にキスしたかったって……ことにならない?

とにかく胸が苦しいほどドキドキしている私は、耳まで真っ赤になりながら、それでも彼に抗議した。


「なに、考えてるんですか……!悪ふざけにもほどがありますよ!」


「ドキドキした?」


荒神さんが上半身を起こし、ニヤッと笑う。
当たり前だろーが!


「……驚きました」


言葉を変えて、なるべくムッツリと答える私。荒神さんは声を出して笑う。


「カップルごっこ楽しいな。またやろうぜ」


「全然!楽しくない!もうやんないです!」


私たちはその後『コスモポリタン3』を見たけれど、途中でどちらともなく寝てしまった。
ベッドを背もたれに床に座ったまま。
自分の頭が荒神さんの肩にのっていたような気もするけれど、はっきりした記憶はない。

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