秘密が始まっちゃいました。
その恋、大丈夫?




「つまりは、押されまくってヒヨったと……。そーいうわけですか」


目の前の瑠璃は、巨大なナンを引きちぎり、マトンカレーの中にぼちゃりと浸した。

私はうなだれ気味に答える。


「まあ……微妙に違う気もするんだけど……有り体に言えばそういうことかも」


「日冴らしいっちゃー、らしいけど、荒神さんカワイソー」


瑠璃の非難に、なお背を丸める私。

逃走デートより二日。
月曜の夜、私は瑠璃と池袋のインドカレー店で定例会を開いていた。

万が一にも荒神さんに遭遇しないように、瑠璃と福谷の新居近くの池袋にしたのは、瑠璃にすべてを話す覚悟を決めたからだ。


「はー、しかし信じらんない。想像もつかない。あの荒神さんが、それほどに涙もろいとは……」


瑠璃はナンを次々にカレーに突っ込み、口に入れていく。
すごいスピードだ。

私は手付かずのチキンマッカーニカレーを見つめる。
普段は大好きなこのカレー。今日はイマイチ食欲が湧かない。

< 252 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop