秘密が始まっちゃいました。
なにこいつ。
どれほどの何様?抱かれたい男サマ?
天下の抱かれたい男サマは、この程度の女、ちょろっと色目使ってやればヤレるって考えてたワケ?
おまえは俺の手の上だってか?

ふざけんな!


「そもそも、『待つ』なんて大人なこと言いながら待ててないじゃないですか!」


「気は長くないって前置きしてるぞ。何より、おまえがわざとらしく避けるからだろ?」


「私は真剣に考える時間が欲しかったんです!」


「真剣ってさ、恋愛ってそんな堅苦しいものなのかよ。もうちょっと感覚的なモンじゃないか?」


こなれたモテ男発言は彼にドハマりだった。フツメンが使ったら、絶対張り倒すセリフだ。
いや、今はイケメン荒神薫だって張り倒したい。


「私は荒神さんとは違うんです!ガツガツこられても、苦しいだけなんです!」


荒神さんが嘲笑うように口角を上げた。


「堅っ。そういうところも好きだけど」


堅くて悪うごさんしたね!
偉そうに!!
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