秘密が始まっちゃいました。
「日冴を手に入れるためなら、何でもするよ?俺、本気でおまえに惚れてるからさ。
悩んでくれるのは構わないけど、結果は変わんないから。早く気持ち整理して、俺のモンになれって」


上から目線な愛の告白に、私の頭にかーっと血が上る。


「なにそれ!頭っから私の気持ち無視で、オトす気ばっかり満々じゃないですか!」


私はなかば食って掛かるように言う。
荒神さんはさっぱり動じることもなく、肩をすくめた。


「ま、俺も女子には好かれてきたって自負があるんでね。おまえがここまで真面目っこじゃなければ、もう少し早く恋人同士になれるかと思ってたんだよな。雰囲気作って、何度もそーいう感じに持ってっても、身体からは入るのは手強いみたいだし。
だから、俺も一歩引いて、日冴の気持ちが動くのを待つって言ってるだろ?」


ぬけぬけとそんなことを言う。
やっぱこの人、私も周りもコントロールできるって思ってるんだ。
だんだん苛立ちが募ってくる。今までおとなしく付き合ってきた分の根深い苛立ちだ。

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