秘密が始まっちゃいました。
私はこれ以上やりとりをしたくなくて首をぶんぶん振った。
悔しくてムカついて涙が出そうだった。

私の投げた言葉は反則だ。

嘘つき呼ばわりしたら、私と彼のここ数ヶ月がいっきに色を失うというのに。
彼の涙が嘘なわけないって、頭ではわかってるのに。
私はこんな反撃を、彼の仕組んできた恋愛ゲームから降りる手段にしたいのだ。

だって、もう無理!

私が惹かれた純粋な涙を流す荒神さん自体、私の妄想と夢だったんだ。
疑惑がただの邪推だとしても、私をここまで振り回すこの人の本性は、腹黒策略男に違いない!
売り言葉に買い言葉だって、私たちの性格の溝は明らか。

私、この人と恋愛できる自信ない!


「……お付き合いはお断りします」


「だーかーら、俺は認めないって。絶対、日冴と付き合う」


私の唸るような拒絶に、荒神さんが子どもじみた反応をする。
毎度、このノリに振り回されてきたのだ。
もう、意地でものってやるもんか!


「荒神さんみたいなお腹真っ黒で、企んで恋愛する人とお付き合いできないです!こんな喧嘩もしたくないし!もう全部やめます!付き合ってる振りも、荒神さんと軽々しく出かけるのも!社内で関わるのもやめます!」
< 281 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop