秘密が始まっちゃいました。
「気付いてないみたいだけど、おまえの足音、ケッコー特徴的だから。俺、いつもおまえの接近がすぐわかる」


えええ?そうなの?
自分じゃ全然気付かなかったけど。

ともかく……、バレてましたか……。


気まずくうつむく私と、更に気まずく下を向く荒神さん。

しばし、私たちは向かい合い沈黙。


「あのな」


随分経ったようにも、あっという間だったようにも思える間隔を挟んで、荒神さんが口を開いた。



「もう気付いたと思うんだけど……、俺、極端に涙もろいんだよ」



それは、ある種の告白だった。


は?
涙もろいとな?
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