秘密が始まっちゃいました。
1LDKの彼の部屋はグレーを基調にしたシンプルで清潔な空間だった。

意外……。
会社のデスクはしっちゃかめっちゃかなのに……。自分のプライベートスペースはきちんとしてる。


「あ、これお土産です。お昼に食べましょう」


私はパンの入ったビニールを渡す。
荒神さんは受けとると、中から焼きたてのクリームパンを取り出して、ぱくっと食べた。


「早……」


「あー、わりわり。泣きすぎて、ハラ減っててさぁ。うち、何にも無かったから助かった」


「じゃ、先に食べちゃってから見ます?」


促されソファに座りながら聞く。
荒神さんはモグモグクリームパンを食べつつ、コーヒーを淹れだした。


「ありがとな。そーさせてもらうわ」
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