秘密が始まっちゃいました。
「いちいち引っかかりますねぇ。私、結構泣ける映画も、感動ストーリーも好きですよ?」


荒神さんはDVDをデッキにセットすると、私の足元の定位置に戻った。
私がムッとしているのをいつもの調子で笑い飛ばす。


「嘘だろ?先週だって今日だって、俺と映画見てても、望月は全然泣かないじゃんか。絶対、血が冷たいと思うぞ、オマエー。冷血女子!」


なにぃ!
血が冷たいだとぉ!付き合ってあげてる同僚になんて発言だ!

私は単純に怒ろうと思って、……やめた。

意趣返しに意地悪な笑みを浮かべてみる。
荒神さんをじっと見つめて一言。


「私が泣かないのは、荒神さんがあまりに泣き過ぎるからです。隣でそんなにわんわん泣かれたら、ドン引き。こっちの涙も引っ込んじゃいますよ」


荒神さんが、むむっという表情をした。
怒っているというか、「痛いところをつかれた」という表情。

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