Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
そして…
セージさんちは実家だから、タクシーで会社に連れていかれた。



「まさかとは思ったけど、念のため持って来といて良かったよ」

と、タオルと、今度はセージさんの服を渡され…


ガンガンに効いた暖房の中で、あったかいコーヒーを飲んだ。



「俺もさ…

今日、タクシーん中で聞いたんだ」

ゆっくりと話しだすセージさん。

「だけど急だったから、咲陽ちゃんに伝えるタイミングがなかった」


「…そっか」

それで心配してメールくれたんだな…




ほんとに…


結婚するんだな…



再び、目に涙が滲んだ。




ふわっと…


セージさんがアタシを優しく包んだ。



「いーよ、セージさん」

それを解こうとすると…


「いーから甘えとけって。

泣きたい時は思いっきり泣けばいいし…
1人で抱え込まないで、ちょっとは寄りかかれよ…

今は俺に…」


そう言って、優しくアタシの頭を撫でた。



張り詰めてた何かが解けて…


セージさんの胸で、声をあげて泣いた。


< 69 / 316 >

この作品をシェア

pagetop