EXCAS
「さあ、楽しい時間はこれで閉幕だ。最短距離で、シェルターまで向かうぞ」
そう言って走っていくが、それが唯一の間違いだった。
細い路地を駆け、人の目敵の目を避け、いくつかの角を曲がった先で、
『惜しかったな』
感心した声が響いた。機械的な人間の声。
木霊は上空から、蒼い機体がその発生源。これまでだと、そう断言する厳かな物。
悔しげにショウは俯いた。見上げれば蒼い機体の他に黒いEXCASが十体。
人の足で、如何に策があろうとも逃げ切れない絶対の状況。それを理解させられたから、心底恨みがましく呪わしい視線と言葉をぶつけた。
「随分と大袈裟だ。たかが子供を捕まえるためにここまでするのか」
『そこまではわかるか。しかし語弊がある。別に、君を捕まえる気はない』
「……じゃあ、どうしてそんな執拗なまでに追いかける」
『目的は他にある。そのための……生贄』
ガシャリと。
無常な音が、小さいはずのそれが
やけに大きく聞こえた。
そう言って走っていくが、それが唯一の間違いだった。
細い路地を駆け、人の目敵の目を避け、いくつかの角を曲がった先で、
『惜しかったな』
感心した声が響いた。機械的な人間の声。
木霊は上空から、蒼い機体がその発生源。これまでだと、そう断言する厳かな物。
悔しげにショウは俯いた。見上げれば蒼い機体の他に黒いEXCASが十体。
人の足で、如何に策があろうとも逃げ切れない絶対の状況。それを理解させられたから、心底恨みがましく呪わしい視線と言葉をぶつけた。
「随分と大袈裟だ。たかが子供を捕まえるためにここまでするのか」
『そこまではわかるか。しかし語弊がある。別に、君を捕まえる気はない』
「……じゃあ、どうしてそんな執拗なまでに追いかける」
『目的は他にある。そのための……生贄』
ガシャリと。
無常な音が、小さいはずのそれが
やけに大きく聞こえた。