マー君2(原作)
あいつは単細胞で、感情でしか物を言わない。だから、話しても無駄なのだ。話に筋が通っていない奴と話しても仕方がない。

「あいつさえ、あいつさえいなければ、俺はこんなに苦しまなくてもよかったのに。全て一樹が--」

「だから、一樹は--」

「うっせぇ! お前に何がわかる? 俺がどんな気持ちか? 会社では馬鹿にされ、あげくの果て、俺は悪者扱いだ。ふざけやがって! なんでなんで俺には才能が--」

聞きたくない。親父の愚痴など。

二階に上がって1番奥の自分の部屋に向かう。

部屋に入ると素早く鍵を閉め、窓辺にあるベッドに倒れ込む。明かりもつけず、そのまま俯せになったまま固まった。

もう何も考えたくなかった。

何もしたくなかった。

-変わらない日常-

美代はそれが幸せだと言った。しかし、それは違う。俺にとって変わらない日常は地獄でしかない。

だから、変えたいのだ。

この生活を。

この世界を。

そのために、俺は欲する。

世界に抗う力を。この生活を、何もかもを変えることのできる力を。

世界は望むだけでは変わらない。

分かっていても、今の俺にはどうすることも--。
< 31 / 130 >

この作品をシェア

pagetop