マー君2(原作)
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「ねぇ、ねぇ」

「んなんだよ」

一樹は授業中に美代に肩を叩かれ、現実の世界に戻ってきた。ついさっきまでマー君について考えていたのだ。しかし、その最中に美代に邪魔され、一樹は一気に冷めてしまった。

それでも昨日今日連続で喧嘩する気にもなれず、渋々美代の話に付き合うことに。

今は国語の授業だ。

教室はしーん静まり返っており、若い女性教師がカツカツと黒板を鳴らしながら、文を書き並べている。

そんな雰囲気の中、美代は自分の声が大きいと思ったのか、机の中から赤い携帯電話を取り出し、小さな指で素早く何か打ち込んでいく。

一樹は美代が何をしたいのか理解し、それに応じるようにズボンのポケットで振動する携帯を取り出した。

それを机の下に広げ、教師に見つからないようにメールを見る。

メールは予想通り、美代からだった。

美代
Re:
今日の放課後皆でマー君探しに行かない? ほら、この学校の近くで事件あったじゃん。そこに行ってみよって誠がさ。

誠がねぇ。一樹は携帯画面を見下ろしながら、素早くメールを返信するため文字を打つ。

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