きらいだったはずなのに!
8.気持ちの整理

 家が近づくにつれて、桐島さんの姿がはっきりと目に映る。


 いつものグレーのスーツに革靴じゃなくて、白いTシャツ一枚に細身のパンツを合わせていた。


 今日はカテキョの日じゃないのに、どうしたんだろう。


「悠斗。家の前にいる人、あたしの家庭教師」


 少し遠くに見える桐島さんを指さしながら、隣りを歩く悠斗にそう言った。


「おーい! 桐島さーん!」


 浮つく心を抑えきれずに大きな声で少し遠くから呼ぶあたしの声に、桐島さんは驚いた顔でこっちを向いた。


 悠斗をその場に置いて、桐島さんに駆け寄る。


 こんなに暑いのに桐島さんには汗ひとつ見当たらず、涼し気な顔をしてる。


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