太陽のあいつ《完結》
「…あ?!そうだ!」



アツシは
何かを思い出すように、
突然声を上げ、
俺から離れた。


「…え?どうした?」


「ちょっと出かけてくる!!
ケイタは待ってて!!」



アツシは
バッグから財布を取り出し、
玄関に向かった。



「え?!ちょっと待ってよ!!
俺も行くよ!」


「すぐ戻って来るから!
待ってて!!」



アツシは俺の返事を待たずに、
玄関を飛び出して行った。


殺風景な部屋に、
一人取り残された俺は
壁にもたれるように座り、
膝を抱えた。
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