太陽のあいつ《完結》
―パチン



部屋は
ロウソクの明かりだけになり、
幻想的な世界を作り出す。


ボ~とする薄暗い明かりと
アツシの笑顔。


ユラユラと揺れる火が、
俺の目頭も熱くさせる。



「…あと、これ…」



アツシはカバンから
緑色のリボンが付いた箱を取り出し、
俺に差し出した。



「…え?何?」


「クリスマスプレゼントだよ。
あと来月はケイタの誕生日もあるから、
それも兼ねて…かな」



アツシは、
ハニかむような笑みを浮かべた。



「…ありがとう」



俺は箱を受け取り、
じっと見つめた。
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