にじいろなみだ



あたしは琥珀さんの言った通り、静かに見ていた。


すると、ある病室に矢那が入っていった。


「嘘…」


そこの看板には「――桜空様」と書かれていた。


「今、桜空は意識不明だ」


「そうなんですか…」


自分で自分を見る。


すると、矢那はあたしの手を握った。


《桜空、今日は学校で文化祭の話が出たよ。楽しみにしてたろ?》


俯きながら喋る矢那。

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