《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
弘樹に関しては、何も話そうとしない。

窓の外を眺め、行き交う人や車を、ただ黙って見ている。

静かな店の雰囲気に合った音楽が流れる。

英美はその音楽にそっと耳を傾ける。

山下さんだけがその場を和まそうと、あたふたしている。

初めて設ける席。

お見合いみたく、堅苦しくはないけども、男女を合わせる席。

緊張しないわけがない。

「お昼は食べた?」

「これからどこか行く?」

「趣味は?」

「休日は何してる?」

一生懸命にいろんなことを質問するも、二人からの答えはない。



沈黙のまま、時間だけが流れていく…



「ドライブ…」

「えっ?」

「ドライブは好きですか?」
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