冷たい彼は旦那さま


胸の奥を抉られた痛みが走る。


何で、他の男に笑うんだ。一年も一緒に住んでいるのに、俺は遥を笑わせられないのに。


俺の知らない遥がいる。


楽しげに笑う遥が。


また、嫌な感情が芽生える。


苛立ちを隠そうと煙草に火を付け、壁に寄りかかる。


すると、直ぐに玄関のドアが開く。


遥は俺がそこにいる事なんて考えていなかったのか、驚いた顔を俺に見せる。


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