冷たい彼は旦那さま

けれど、それはすぐ悲しそうで場の悪そうな表情に変わる。


ほら、やっぱり。俺はあいつみたいに笑わせる事なんて出来ない。


わかっていたけれど、改めて感じると胸が痛い。


良く何を考えてるのかわならないと言われるけど、俺はいつも遥の事しか考えてない。


「こんな時間までいいご身分だね。人が働いているっていうのに」


また、八つ当たり。


「……翼さんには私の気持ちなんて、分からないんですっ!!」


泣きながらそういった遥は、俺と目線を合わせずに部屋へ走っていった。


ホント、あんなことしか言えないなんて笑える。

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