冷たい彼は旦那さま
幸せそうに話すサツキさん。
「それじゃ、私はこれで帰るわね。付き合ってくれてありがとう」
満足そうに帰ったサツキさん。
サツキさんの姿が見えなくなると同時に、私は静かに泣くことしか出来なかった。
サツキさんの話してた事なんて全然頭に入ってこなくて。
聞きたくなくて。
何で、こんなにも胸の奥が痛いんだろう。
自分が言った発言さえも、今すぐ訂正したいのに。
私の中で翼さんがお兄さん的な存在になった事なんて一度もない。